
阪急電車の雲雀丘花屋敷駅から少し西に有る高校です。この学園には、情報ⅠとⅡという必須科目が有り、データサイエンス教育の専門家のH先生が居る。先生の授業を見学させて貰った。統計ポスター制作という内容…全くピンと来ない。生徒がそれぞれ好きなテーマを課題にレポート提出するという事だそう…注意深く観察することにした。ドラマの視聴率の比較や女性の社会進出など、次々に紹介された。どうも先生は気に入らない様子で…教室を見渡し、ただ円グラフや棒グラフを並べてありきたりの説明では何も伝わらないと一喝。データを集めてきたのは良いが、聞き手を納得させるポスターは準備出来てる?なるほど!と思わせる説得力に欠けると指摘された。生徒達は…せっかく頑張ったのにどうすれば良いの?と、一気に空気が重くなった。続けて、内容が優れている作品も有るけど、人に伝える視点が見えない。独りよがりではなく相手に伝わって初めて情報の意味が有り、選んだ理由を必ず押さえさせる。生徒達をデータの裏側の社会を見るという本質へと誘う。この日教材に使われた動画は、なぜマクドナルドはハンバーガーを世界中に売る事が出来たのか?というものでした。まずマクドナルドが流行った理由を書く事を命じられた。生徒達は、安い、美味しい等どんどん書き込んだ。それを先生が画面上でまとめたり、削除したり整理していく。これを踏まえて動画で明かされる答えは…マクドナルドは子供達にとってドキドキさせる場所だったから〜意外な回答にみんな、えっ?どういう事?という反応。時代背景はこうだ。マクドナルド兄弟が売り出した頃のアメリカは、毎日家族で食卓を囲み狭い共同体での暮らしだったが、店内で子供達がカウンターで自分の好きな商品を選んで買い物をする事は、自立に繋がる初めてのドキドキ体験だった。この未知の世界に一歩踏み入れる感覚は、大人になっても忘れない。つまり時代を作るようなイノベーションが生まれる為に最も必要な事は、文化を作る事であると。何となく流行ったではなく、表に見えない社会背景を読み取る事だと。ここまで聞いてようやく理解出来た。生徒達もより理解を深めたに違いない…とても興味深い授業内容や進め方であり、この道の第一人者らしい非常に素晴らしい先生だった。