高校・高専情報
高校の校長の役割
校長といえば、生徒や教師の上に立ち、学校運営における最高責任者です。実際にはどのような業務を任されているか、詳しく探っていきましょう。
校長の任務

2011年(平成23年)に改正された学校教育法第37条によると、「校長は、公務をつかさどり、所属職員を監督する」と定められており、校長の役割、仕事をまとめて「4管理・2監督」とされています。
4管理・2監督とは
4管理
- ①学校教育の管理
- ②所属職員の管理
- ③学校施設の管理
- ④学校事務の管理
2監督
- ①職員の職務上の監督
- ②職員の身分上の監督
仕事内容の一例
学校管理職である校長になると、教壇に立ち授業を行なう現場の教師とは職務内容が大きく異なります。校長が授業を行なうことはほとんどなく、学校の経営が仕事の中心になります。地域住民、PTA、教育委員会など、学校を取り巻く人たちとの折衝も大切な仕事のひとつとなり、多忙を極めます。
校長を補佐する役割として、副校長や教頭があります。多岐に渡る校長の仕事をサポートし、協力して学校を運営しています。
組織編成、教育課程関係
学校運営の基本となる、時間割や行事を決定します。また、学校を運営するために必要な仕事を分担し、教職員たちに振り分ける仕組み(「校務分掌」といいます)を決定します。
組織編制、教育課程にかかわる仕事例
- 教育指導計画の編成
- 時間割の決定
- 非常変災時による臨時休業の決定、報告
- 修学旅行、対外試合などの学校行事の実施
- 校務分掌の決定
- クラス担任、教科担任の決定
生徒関係
直接生徒と接する機会は少ないものの、入学や退学の許可など事務的な管理は校長の仕事のひとつです。
生徒にかかわる仕事例
- 入学、転学の許可、退学、休学の許可
- 過程終了および卒業の認定
- 卒業証書の授与
- 生徒の懲戒
教職員関係
所属職員の管理および職員の職務上、身分上の監督を行ないます。
教職員にかかわる仕事例
- 所属職員の監督
- 教職員の人事に関する意見の具申
- 非常勤講師の人選、採用
- 職員の休暇の承認
- 職員の出張命令
- 勤務場所を離れての研修の許可
- 学校評議員の人選
予算、学校施設関係
学校施設を管理し、学びの舎が快適であるように力を尽くします。
予算、学校施設にかかわる仕事例
- 施設・設備の管理
- 予算書の作成、備品購入計画の作成
- 旅費、設備費その他の運営経費の執行
校長になるには
公立高校の場合、校長や教頭などの管理職になるには、選考試験を受けなければなりません。受験資格や選考方法は各都道府県がそれぞれに定めています。教育委員会などの推薦が必要な場合もあります。
校長への道のり
主幹教諭や指導教諭、学年主任など、それぞれの分野で教員を統括する仕事に就くことが、校長になるための大きな一歩といえます。教員として経験を積んでから管理職試験を受験し、50歳前後で教頭、50歳代半ばで校長へ、という流れが典型的です。教育委員会の指導主事などに就き、一度学校を離れてから管理職試験を受験して管理職になるケースもあります。
しかし、管理職試験に合格しても、必ず管理職になれるとは限りません。最終的には、各教育委員会の教育長が管理職への登用を決めています。
女性や民間人の登用が増加
2012年度(平成24年度)の学校基本調査速報によると、高校の校長のうち6.5%を女性が占めます。ここ数年、有能な女性教員の管理職登用は増加傾向にあります。
また、教員免許を持たない民間人が校長になる道もあります。実際に東京、神奈川、静岡、三重、大阪などの高校で民間人校長が誕生しました。