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高校生に人気の留学先(イギリス)
イギリスは歴史と伝統を重んじる国です。質素で堅実な国民性で、教育制度も古くから整っています。公用語はもちろん英語で、クイーンズ・イングリッシュと呼ばれるなまりの無い美しいイギリス英語が学べます。外国語ではまず英語を習得したいと考える日本人にとって、イギリスは最適な留学先といえます。
留学先としてのイギリス

トラディショナルな英語を身につけられるイギリス。ここでは留学先として考えた場合のイギリスのメリット、デメリットを考えます。
メリット
イギリスには歴史のある名門校が数多くあり、17世紀の私立男子校創立の始まる歴史と独自の伝統を持っています。パブリックスクールと呼ばれる寄宿制の私立高校では、勉強だけでなく生活全般においてしっかりとした教育が施されます。このような環境で教育を受けることは日本では難しく、わざわざイギリスに留学するメリットでもあるといえます。
もちろん、高度な学習内容や美しい英語が修得できることも魅力的です。
デメリット
イギリスの中学校や高校はほとんど公立校ですが、公立校に私費留学することはできません。留学先が私立校に限られるため、学費などの留学費用が高額になる傾向があります。
また、イギリスでは数学や科学でも高度な内容を学習します。そのため、英語が分からない状態で留学をスタートさせると大変苦労します。
これに関連して、教育システムが日本と異なるため、留学の時期が難しいともいえます。シックスフォームと呼ばれる過程が始まる12年生は、年齢的には日本の高校2年生に相当し、時期が中途半端です。しかも、シックスフォームで学習する内容は、日本の大学の一般教養に相当します。さらに、高校1年生である11年生ではGCSEと呼ばれる統一試験を受験するので、勉強についていけずに学年を下げて授業を受ける場合もあるのです。
イギリスの教育制度
イギリス式教育として世界中に影響を与えている、イギリスの教育制度を見てみましょう。
教育制度の概要
イギリスでの義務教育は、5歳~16歳の11年間です。日本で小学校に当たる初等教育は、通常6年間。7学年(11歳)から中等教育が始まります。原則として選抜の無い統合制学校が一般的で、90%の学生がここに通います。
11年生(16歳)で義務教育が終了し、進学する生徒はシックスフォームと呼ばれる課程に進みます。ここは大学へ進学するための準備をする課程で、日本の大学でいう一般教養の課程を学びます。その後、3年間の大学で専門分野の学習、研究を行ないます。
新学年は9月から始まり、6月に終了します。3学期制の学校が多いです。
統一試験制度
イギリス式教育の大きな特徴として、統一試験制度があります。
まず、義務教育が終了する11年生(16歳)でGCSEと呼ばれる試験を受験します。合格すると、義務教育が終了します。
また、義務教育後に取り組むシックスフォームでは2~4科目に絞って学習し、GCE-Aレベルという試験を受験します。この結果で大学の進学が決定します。
イギリスでは国を挙げて進学率のアップと学力低下を食い止める政策を進めており、その一環として2013年(平成25年)にGCSEの改定案が発表されました。課題や単元を廃止し、試験は小論文を中心としたより高度な内容に変更するなど、従来よりもGCSEの難易度が上がりそうです。この改定案は、2015年から実施される予定です。
イギリスに留学するには
イギリスに留学するための手順について確認しましょう。イギリスでは、一部の交換留学を除いて公立校は留学生を受け入れていないので、私費留学する場合は私立校が対象になります。さらに、学生ビザ取得に必要な入学証明CASを発行できる認定教育機関であることが必要です。
留学の申請
イギリスの学校に留学するためには、願書や英語力を示すスコアなどの書類以外に、面接や英語・数学の入試が必要な場合があります。しかし、入学前に現地で面接を受けることが難しい留学生に対しては、提出書類の審査で代替するケースもあります。
また、イギリスでの留学にはガーディアン(後見人)が必要です。ガーディアンとは留学生が何か問題に巻き込まれた場合にケアしてくれる後見人のことです。
さらに、6ヵ月を超える留学の場合、学生ビザが必要です。オンラインで予約後、申請者本人が必要書類をビザ申請センターに提出します。
留学費用
学費や寮費、その他雑費などを含めて、年間250万円~400万円の費用が目安です。イギリスへの留学は私立校に限られること、寮制が多いことから、他の留学人気国と比べて高額になる傾向にあります。(1ポンド=140円で計算、為替により変動します)